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WebサイトやECサイトを運営している方の中には、訪問者がなかなかアクションを取らないことに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、Webサイトにおけるコンバージョン率の位置づけや、コンバー上率を向上させるデザインなどについて解説します。
コンバージョン率改善のためのポイントや、改善後の確認方法についても詳しく解説していきます。自社サイトのコンバージョン率に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
Webサイトのコンバージョン率(CVR)
コンバージョンとコンバージョンエリアという2つの要素を理解し、効果的に配置とデザインをおこなうことで、コンバージョン率は大幅に向上する可能性があります。ここでは、その具体的な方法について詳しく解説します。
コンバージョン(CV)とは
コンバージョン(CV)とは、Webサイトやアプリで達成したい特定の目標行動を指します。この目標行動は、事業やサイトによって異なります。たとえば、ECサイトであれば商品の購入がコンバージョンであり、情報サイトであれば会員登録やダウンロードがそれに該当します。
重要なのは、ユーザーがどのような行動を取ることでビジネスが成功するのかを明確にすることです。具体的なCVの例としては、商品購入、お問い合わせ、会員登録、資料ダウンロード、ページビュー数の増加などが挙げられます。
コンバージョンエリア(CTA)とは
コンバージョンエリア(CTA: Call to Action)とは、Webサイトやアプリ内でユーザーに何らかの行動を促す場所や要素を指します。例としては、「今すぐ購入する」ボタンや「もっと詳しく」リンクなどがあります。このエリアが効果的に配置されていると、ユーザーは目的の行動を取りやすくなり、結果としてコンバージョン率が向上につながります。
コンバージョンエリアは、単にボタンやリンクを配置するだけではありません。そのデザイン、色、テキスト、位置などがユーザーの行動に影響を与えます。良いCTAは、目的に応じて設計され、ユーザーが求めるものを明確に提示するのです。
コンバージョン率を上げるデザインとは?
コンバージョン率を上げるために重要と考えられるデザインには、以下のような要素が考えられます。
- トップページをわかりやすくする
- Webサイト内の導線を改善する
- コンバージョンエリアを改善する
訪問者が目的の行動を取りやすいデザインを目指すことで、コンバージョン率は確実に上がるでしょう。
トップページをわかりやすくする
ユーザーが最初に目にするトップページは、シンプルでわかりやすいものが良いといわれています。トップページは自社サイトの「顔」ですから、初めて訪れた方が迷わず行動できるようにすることが重要です。クリアな見出しやシンプルなデザイン、そして直感的なメニュー配置を心がけましょう。
訪問者がスムーズにサイト内を探索できることで、結果としてコンバージョンへとつながる可能性が高まります。シンプルながらも魅力的なトップページは、ユーザーが求める情報やサービスに素早くたどり着くための起点となるのです。
Webサイト内の導線を改善する
Webサイト内の導線の改善は、コンバージョン率を高めるために不可欠です。不要なバナーなどは取り除くことも、重要なポイントの1つです。これらは訪問者が目的に到達する障害となり、逆に離脱を促してしまう可能性もあります。
目標は、訪問者が求める情報やアクションに最短距離で到達できるようにすることです。そのためには、メニューはわかりやすく、必要な情報へのリンクは明確にすることです。さらに、CTA(コール・トゥ・アクション)ボタンは目立つ色でわかりやすい位置に設定すると良いでしょう。
コンバージョンエリアを改善する
コンバージョンエリアは、LP(ランディングページ)において非常に重要なスペースです。訪問者によるアクションに期待する場所ですから、その設計には特に気を使うべきでしょう。一般的には、LPの長さに応じて3~5個のコンバージョンエリアを配置することが多いです。
コンバージョンエリアは、訪問者を購入やお申し込みのフォームに誘導する役割を果たします。そのため、ボタンの色や形、文字の大きさなど、細部まで工夫する必要があります。この部分を改善することで、確実にコンバージョン率は上がるでしょう。
コンバージョン率を上げるコンバージョンエリアとは
コンバージョン率の向上において、カラー設定とボタンデザインは密接な関係にあります。これらを適切に設定することで、コンバージョンエリア全体の効果を最大限に引き出すことができるでしょう。1つずつ内容を確認していきましょう。
コンバージョンエリアのカラー設定
コンバージョンエリアの色設定は非常に重要なステップです。大きく分けて、メインカラー、サブカラー、そしてコンバージョンエリアカラーの3つがあります。
メインカラーはブランドの基調となる色です。サブカラーはメインカラーを補完し、全体にメリハリをつけます。コンバージョンエリアカラーは、アクションを促すための目を引く色です。このエリアには、背景色とコンバージョンボタンの色、2つの要素が存在します。
カラー設定の際に注意が必要なのは、単に目立つ色を選ぶのではなく、全体のトーンを崩さないようにすることです。
コンバージョンボタンのデザイン改善
コンバージョン(CV)ボタンを効果的にするには4つの要素が重要です。
- コンバージョンボタンの形状・カラー
- コンバージョンボタンのテキスト
- キャッチコピーの見直し
- レイアウトの見直し
4つの内容についてそれぞれ確認していきましょう。
コンバージョンボタンの形状・カラー
ボタンの形状とカラーは、ユーザーがアクションを取るかどうかに大いに影響します。形状に関しては、一般的には丸みを帯びたボタンがフレンドリーに見えます。直角のボタンは公式な印象を与える場合もあるので、目的に合わせて選びましょう。
カラーは、サイト全体のテーマやブランドイメージに合ったものを選ぶことが基本です。ただ、ボタンだけは対比色を使って目立たせるテクニックもあります。たとえば、背景が青い場合、オレンジ色のボタンが効果的です。
コンバージョンボタンのテキスト
ボタンのテキストも重要です。一般的には、ユーザーが何をすべきか明確に示す言葉を選びます。たとえば「購入する」や「ダウンロード」などです。また、心理的ハードルを下げる言葉、「無料で試す」のような言葉も効果的です。
短すぎるとわかりにくく、長すぎると読む気を失せます。絶妙なバランスで、行動を促す力のあるテキストを考えましょう。
キャッチコピーの見直し
キャッチコピーはサイトの訪問者に最初に目に入るもので、興味を引く要素が必要です。既存のキャッチコピーが効果を上げていない場合は、ターゲットとする層にどうアピールできるかを考えます。
短くてもインパクトのある言葉や、解決できる問題を明示するような文言がおすすめです。わかりやすく、かつユーザーに何を提供できるのかを明確に伝えましょう。
レイアウトの見直し
レイアウトもコンバージョンに大きく影響します。たとえば、重要なボタンや情報は「Fパターン」や「Zパターン」といった代表的なレイアウトに沿って配置すると、目につきやすくなります。また、余白を適切に利用して、情報の読みやすさを高めることも大切です。
要素が多すぎると、ユーザーは何に注意を向けるべきか迷ってしまいます。シンプルなデザインで、目的に応じて必要な要素だけを配置するよう心がけましょう。
コンバージョン率改善の確認方法
コンバージョン率の改善を確認するには、主に以下の2つの手法があります。
- ABテスト
- 多変量テスト
どちらの手法も、明確な結果を得るためには十分な訪問者数とデータが必要です。短期間でのテストはあまり信頼性がありませんので、計画的に実施することが大切です。
ABテスト
ABテストは、Webサイトや広告の最適化を目指しておこなう人気のテスト手法です。具体的には、特定の要素を変更したAパターンとBパターンを作ります。これらのバージョンをユーザーにランダムに表示し、どちらがより良い成果を上げるかを比較します。名前は「ABテスト」ですが、3パターン以上でテストすることもあります。
このテストを繰り返し行うことで、より効果的なバナーや広告文、レイアウトなどを見つけ出せます。その結果、Webサイトや広告のクリック率やコンバージョン率が向上します。短期間のテストではなく、持続的に実施することで、細かい調整が可能になり、成果が最適化されます。この手法は容易に始められ分析も直感的なので、初心者でも手軽に試せる点が魅力です。
多変量テスト
多変量テストは、一度に複数箇所をテストする方法です。たとえば、ボタンのサイズ、文言、色などが異なる複数のテストパターンを作り、その中から最も効果的な組み合わせを見つけます。サイズが2パターン、文言が3パターン、色が4パターンだと、合計で24とおりの組み合わせが可能です。
多変量テストの強みは、多くの可能性を一度に比較できる点です。しかし、多くのテストパターンを用意する必要があるため、データ量が多く必要となります。月間トラフィックが少ないBtoBのWebサイトなどでは、十分なデータを集めるためにテスト期間が長くなる可能性があります。
まとめ
Webサイトにおいて、コンバージョン率の向上はとても重要です。この記事では、企業にとっての命題でもあるコンバージョン率向上のための改善ポイントについて解説しました。
コンバージョンとは何かを理解し、コンバージョン率向上のための改善点や確認方法を参考に、自社のWebサイトのパフォーマンスを最大限に引き上げましょう。